タクシー運転手への転職をする人が増えているようです。
転職をするうえで、いいことや悪いことの情報を収集することでしょう。
そのなかで天秤にかけて決めるわけですが、タクシー運転手に転職するうえで気を付けることについて7つまとめてみました。
気をつけること1:賃率を確認
仕事をするうえで一番大事なのは給料です。タクシー運転手の給料で大事なのが賃率。ここでは賃率について詳しく紹介します。
タクシー運転手の賃率とは?
タクシー運転手の賃率とは、売上(税抜き)の何パーセントが運転手の収入となるかを示す割合のことです。一般的には50%前後が多いですが、タクシー会社によって大きく異なるため、求人情報などでしっかりと確認することが大切です。賃率が高ければ、それだけ自分の取り分が増えるため、一見すると非常に魅力的に感じます。
賃率はなぜ大事なのか?
賃率は運転手の給料に直結するため、当然ながら高いに越したことはないように思えます。特に中小のタクシー会社では、競争力を高めるために大手よりも高い賃率を設定していることが多く、求人広告でも「賃率〇〇%!」と大々的にアピールされていることがあります。これを見ると「この会社なら稼げる!」と感じるかもしれませんが、実は賃率だけで判断するのは危険です。
賃率が高すぎると良くない理由
賃率が高すぎるタクシー会社には注意が必要です。なぜなら、高い賃率を提示している会社は、他の部分で条件が悪くなっていることが多いからです。例えば、事故が起きた際に運転手が一部の賠償金を自腹で負担しなければならない、あるいはボーナスや設備が充実していないといったケースが考えられます。特に事故や違反はタクシー業界では頻繁に起こりうることであり、特に新人ドライバーにとってはそのリスクが非常に高いです。こうしたリスクを考慮せずに賃率だけで会社を選ぶと、思わぬ負担を背負うことになりかねません。
気をつけること2:自腹が多い
タクシー運転手として働く際には、自腹で負担しなければならない経費が多いことに注意が必要です。通常の会社員であれば会社が負担するような費用も、タクシー業界ではドライバーに負担させる場合が少なくありません。例えば、高速道路の利用料金はお客様の行き先に応じて会社が負担してくれることもありますが、帰路の高速代をドライバーの自腹とする会社も多くあります。また、クレジットカード決済手数料やタクシーチケット手数料などの手数料もドライバーの負担になることがあり、累積するとかなりの額になります。さらに、制服代や洗車用具、さらには高級車両の使用料まで請求されるケースもあるため、こうした細かい費用負担について面接時にしっかり確認しておくことが大切です。自腹経費が多い会社では、運転手への負担が重くなりがちで、働きやすさに大きな影響を及ぼすこともあります。転職を考える際には、賃率だけでなく、このような隠れた費用についても十分に考慮しましょう。
気をつけること3:拘束時間は長い
タクシー運転手として働く際には、定時で帰れることがほとんどないという点に注意が必要です。求人情報には所定労働時間が記載されていますが、実際の拘束時間はそれよりも2~3時間長くなることが一般的です。まず、出庫前には制服に着替え、アルコールチェックを受け、車両の点検を自分で行わなければなりません。この準備作業だけでも1時間近くかかる場合があります。そして営業終了後には、売上の納金事務や手書きの帳票作成といった煩雑な作業が待っています。これらの事務作業が終わった後にも、洗車作業が必要です。特に大手のタクシー会社では、手洗いでの洗車が義務付けられていることが多く、天候にかかわらず1時間以上かかることもあります。さらに、会社によっては「自主研修」やミーティングが頻繁に行われるため、実際には定時を大幅に超えて拘束されることも少なくありません。こうした時間外の作業は労働時間にカウントされないことが多いため、転職を考える際には拘束時間の長さをしっかり確認することが大切です。
気をつけること4:釣り銭は自分で用意する
未経験の人には信じられないかもしれませんが、タクシー運転手として働く場合、釣り銭を自分で用意する必要があります。アプリ決済が普及しているものの、依然として現金での支払いが主流です。特に深夜帯などでは、ワンメーター程度の料金でもお客様が一万円札を出してくることがあり、釣り銭がないという状況は許されません。そのため、運転手自身が事前に必要な小銭を用意しておく必要があります。会社やガソリンスタンドで両替できる場合もありますが、基本的には自分で管理し、営業中のミスや過不足があっても運転手自身が負担することになります。この釣り銭の管理は、タクシー運転手の重要な仕事の一部です。
気をつけること5:運転手を大事にしてくれるか
タクシー運転手として働く際には、運転手を大切にしてくれる会社を選ぶことが非常に重要です。求人広告や面接では会社の良い面だけが強調されがちですが、実際にどのように運転手が扱われているかを見極める必要があります。そのためには、できるだけ実際の勤務地や営業所の施設を見学することがポイントです。更衣室や休憩室、トイレなどの設備が整っているか、清潔に保たれているかを見ることで、会社が従業員をどれだけ大切にしているかがわかります。たとえ設備が古くても、きちんとメンテナンスされているならば、会社が運転手を大事にしている証拠です。しかし、汚れたまま放置されている場合、その会社は運転手を軽視している可能性が高いです。面接の際には、営業所の見学をお願いすることで、会社の本音を知ることができるでしょう。転職先を選ぶ際には、賃率や待遇だけでなく、こうした細かな点にも目を向けることが大切です。
気をつけること6:通勤手当はない事が多い
タクシー運転手として転職を考える際、通勤手当についても注意が必要です。一般的に通勤手当は当たり前のように支給されると思われがちですが、タクシー業界では必ずしもそうではありません。特に小規模なタクシー会社では、通勤手当が支給されないケースや、距離によって支給額が制限される場合があります。また、会社によっては「上限あり」「一律支給」「実費支給」といった形で異なる方法で交通費が支給されることがあります。例えば、実費支給であってもガソリン代や公共交通機関の利用に制限がかかることがあり、実際の通勤費用をすべてカバーできないケースも考えられます。そのため、転職を考える際には、募集内容を確認し、面接時に通勤手当について具体的に質問することが重要です。特に長距離通勤を考えている場合は、自己負担となる可能性もあるため、しっかりと確認しておくことで、後のトラブルを防ぐことができます。
気をつけること7:職種変更は基本ない
タクシー運転手として転職を考える際、職種変更の可能性については慎重に考える必要があります。特に超大手のタクシー会社を除き、ドライバーで入社した場合、そのままずっとドライバーとして働き続けることが一般的です。面接で「ドライバーから事務職へステップアップできる」といった話を耳にすることがあるかもしれませんが、これはあまり期待しない方がよいでしょう。多くのタクシー会社では、ドライバー以外のポストはごくわずかで、管理職や事務部門の仕事は新卒や若い世代の「幹部候補生」に優先的に割り当てられるのが実情です。特に中途採用で入社する中高年層にとっては、デスクワークへの転身はほぼ不可能と考えるべきです。タクシー業界では一度ドライバーとして働き始めると、そのまま定年までドライバーとして勤め上げるケースがほとんどです。そのため、職種変更を前提に転職を考えるのではなく、ドライバーとしてのキャリアを見据えた上で会社を選ぶことが重要です。
まとめ
今回はタクシー運転手に転職するうえで気をつけること7つについてまとめてみました。
- 賃率を確認
- 自腹が多い
- 拘束時間は長い
- 釣り銭は自分で用意する
- 運転手を大事にしてくれるか
- 通勤手当はない事が多い
- 職種変更は基本ない
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